2016年9月13日 (火)

抗がん剤の切れ目が、縁の切れ目

80歳の女性。
ご主人と一緒に来院。いつものようにアミノレバンの点滴を行った。
1時間ほどして娘さんが来院。娘さんはS病院に行ってきたところ。
1年前から肝臓がんでS病院で抗がん剤治療を受けてきた。
辛い治療だが、主治医を信頼して一生懸命治療を続けてきた。
娘さんに対する今日の主治医の言葉・・・今後は、緩和ケアですね・・・治療を受けないのだったら、当病院に来る必要はない、(肝硬変のために)意識がなくなったり、吐血下血をした時も、他の病院を探しなさい・・・

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2016年8月21日 (日)

在宅ホスピス事例検討会、105回目に。

今日8月20日(土)は、毎月1回の『在宅ホスピス事例検討会』。

今日で105回目になる。10年前から継続している会で、医師、歯科医師、訪問看護師、薬剤師、ケアマネージャ、ボランティアなど多彩なメンバーが参加する。昨年から各回の担当施設を決めてやるようになって、内容も充実し、参加者も増えてきた。
今日はにのさかクリニックの担当。
事例検討は、脳性麻痺で病院、在宅の暮らしを行ってきたR君、33才。
4年間、当院が在宅で担当した。受け持った頃は寝たきりで自分で動くことはできず、言葉も発せなかった。気管切開しており、夜だけだったが、人工呼吸器をつけていた。胃瘻も作っていたが、胃空腸吻合のせいか?利用できず、経鼻胃管を入れていた。
気管切開孔が大きく、気管チューブが抜けやすい。(抜けても、自発呼吸があるので、慌てることはないのだが。
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2016年4月10日 (日)

胃瘻2題

 
AMさん 97才
住宅型の施設で過ごし、当院からの訪問を受けていました。
認知症はありますが、朗らかで表情豊かな方。1週間前に発熱、往診で誤嚥性肺炎と診断し近くの病院に入院していました。入院6日目に息子夫婦が相談に見えました。嚥下の検査で誤嚥が見られ、今後経口摂取は不可能といわれた。胃瘻を作るかどうか検討したい、と。慌てて当院に相談に見えた次第です。
みなさんだったらどう考え、どう返答しますか?

私は迷っているお二人に、97才という年齢、今後の生活の質、胃瘻を作って生き延びたくないと言っていたという本人の希望を考慮したら胃瘻は止めて、さっさと帰ってきたらどうですか、と答えました。

2日後に施設に帰ってきて、早速夕食を食べました。
家族もびっくりですが、おかゆを10割、おかず(一口刻み)を5割などしっかり摂取。
もちろん施設のスタッフの注意深い食事介助のおかげもあります。
それ以上に、本人の生きる意欲、生命力への信頼が大切がと感じました。
ここでは写真でお見せできないのが残念ですが、この日夕食後に私が訪問したときのAMさんの明るい、豊かな表情。これはAMさんのこれまでの人生が作り上げた顔だなとつくづくおもいました。
 

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2014年10月26日 (日)

赤ひげ大賞に思う

日本医師会の赤ひげ大賞を受賞しました。

今回で3回目、受賞者は全国で5人というものです。
開業して18年の活動を評価していただいたものと、素直に喜んでいます。
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『赤ひげ診療譚』という山本周五郎原作の小説、およびそれを映画化した黒澤明監督、三船敏郎主演の映画『赤ひげ』から取ったものだということは、誰でもわかると思います。今回、じっくりと『赤ひげ診療譚』を読んでみました。Kindle(iPhone用)で読みましたが、どこでも読める、見やすい、ハイライトができるなど大変便利でした。
赤ひげ大賞、ではなく、『赤ひげ診療譚』を読んで感じたことを書いてみます。
赤ひげの名前は、新出去定(にいで・きょじょう)といいます。
長崎帰りの若い見習医師保本登(やすもと・のぼる 加山雄三が演じる)に話します。
「医術などといってもなさけないものだ、長い年月やっていればいるほど、医術がなさけないものだということを感ずるばかりだ。病気が起こると、或る個躰はそれを克服し、べつの個躰は負けて倒れる、医者はその症状と経過を認めることができるし、生命力の強い個躰には多少の助力をすることもできる、だが、それだけのことだ、医術にはそれ以上の能力はありゃあしない」
「ー現在われわれにできることで、まずやらなけばならないことは、貧困と無知に対するたたかいだ、貧困と無知に勝ってゆくことで、医術の不足を補うほかはない」
「それは政治の問題だと云うだろう、誰でもそう云って済ましている。だがこれまでかつて政治が貧困や無知に対して何かしたことがあるか、貧困だけに限ってもいい、江戸開府このかたでさえ幾千百となく法令がでた、しかしその中に、人間を貧困のままにして置いてはならない、という箇条が一度でも示された例があるか」
「・・・問題はもっと前にある、貧困と無知さえなんとかできれば、病気の大半は起こらずに済むんだ」

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2014年1月 2日 (木)

小さなたねの物語 その2

ひかりちゃんが自宅に戻って、数ヶ月後のこと。

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その頃は、呼吸器をつけたりつけなかったりしていましたが、どちらかというとつけている時間が多かったように思います。
お母さんはもちろん、お父さんも協力して、ひかりちゃんの世話をしていました。
どうも呼吸音がおかしい、と訪問した古賀医師から報告がありました。
以前から喘息を指摘されており、喘息のような呼吸音がするというので、喘息の薬を処方しました。
しかしなかなか良くならず、ある晩、緊急の往診を依頼されました。
行ってみると、両親で交互にバギング(人工呼吸用のバッグを押して強制的に呼吸をさせる)をしていました。かなり抵抗があるようです。
気管チューブの先が何かで狭くなっているようでした。
私もバッグを押しながら、どうしたものかと考えました。
このままで一晩中バッグを押し続けるか、子ども病院に救急車で運ぶしかない。
・・・・

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2013年10月30日 (水)

小さなたねの物語 その1

小さなたねがまかれて、芽が出て、美しい花が咲きます。

地域生活ケアセンター「小さなたね」は、ひかりちゃんとの出会いで始まりました。
彼女が15歳の時に出会いました。
脳性麻痺(正確には原因不明の脳障害による四肢の麻痺、発育障害)で、両親の保護の元に生活してきましたが、気管の発育不全もあり、肺炎を繰り返し、気管喉頭分離手術を受けた後でした。
人工呼吸器をつけた在宅生活のために、病院のスタッフと在宅スタッフ、それにお母さんが顔を合わせてカンファレンスが開かれました。まず驚いたのは、小児専門のその病院で、そのような形で在宅のためのカンファレンスを開くのは初めて、ということでした。
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写真は退院後、大きな鯉のぼりに包まれているひかりちゃん。

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2013年9月12日 (木)

クリニック活動の輪

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にのさかクリニックの活動の輪を図示したものです。
いろんな活動を行っていますが、それぞれ別々のものではなく、いろいろな形で、有機的なつながりを持ちながらつながっています。

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2013年1月21日 (月)

在宅ホスピスを語る

19日(土)は、『在宅ホスピスを語る会』を開催しました。

在宅ホスピスを経験した方(遺族)に、体験を語ってもらい、地域の人たち、同じ経験をした人たち、これから在宅ホスピスをやろうと思っている人たち・・・そして地域の医療機関や訪問看護、ケアマネージャなどにも聞いてもらいたい、というのが会の趣旨です。
在宅ホスピスを広げるには、もっとも有効な方法だと思っています。
福岡県では数年前から始めており、今年度は10ヶ所あまりで開かれています。
ことしの『語る会』は、ひときわ印象深いものでした。
土曜の午後2時から開始。
第1部は、Shanaさんのコンサートです。オカリナとギターの、息の合った演奏は、毎回心を洗ってくれますが、今年はまた一段と澄んだ音色で、私たちの心を清めてくれました。
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その後、第2部で体験談。
3人の遺族の方に、インタビュー形式で語ってもらいました。
1人は、訪問看護ステーションはなが関わった女性。
1人は、はなと、にのさかクリニックが関わったすい臓がんの女性。
もう1人は、にのさかクリニックと他の訪問看護ステーションが関わった男性です。
バックに、患者さんの在りし日の写真を流しながら話してもらいました。

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2012年8月 1日 (水)

花の谷クリニックと「認知症ケアの倫理」

この組み合わせ、どんな意味が?とおもわれるでしょう。
土曜日は、二人のすばらしい女性との出会いがありました。

伊藤真美さんと、箕岡真子さん。

伊藤真美さんは、ファイナルステージを考える会の講演会「心にのこる患者さんたち」
伊藤さんは、千葉県の「花の谷クリニック」の院長で、一般外来、緩和ケア病棟、在宅ケアの3つを手がけている女医さんです。

箕岡真子さんは、久留米での「認知症終末期における尊厳あるケア」の講演会
箕岡真子さんは、夫と一緒に診療所をやりながら、生命倫理、とくに最近では認知ケアの倫理について、活発に発言しています。

いずれもすばらしいそれぞれの講演でした。

心にのこった言葉を思いつくままに書いてみます。

伊藤さんから:
花の谷クリニックの診療の特徴は、疾患の縛りがない、治療の縛りがない、ということ。つまり、がんやエイズの末期に限らず、苦痛を伴う状態であればだれでもがケアの対象になるということ。

緩和ケアの三つのステップを大切にする。
1)日常生活の基本を支える=食べること、排泄すること、体を清潔に保つこと
2)どんな病気や障害、老いであってもそれを抱えて人が社会の中で生きることを支える
3)看取りは、「自然に帰る」という思いでささえあう

死の受容についても、興味深い話がありました。

さて、箕岡さん。
実は先月も、岡山で認知症ケア学会の研修会でご一緒したのです。
そのときもずいぶん勉強させられましたが、今回も勉強になりました。
「おだやかに逝きたい 最後までやさしく見守りたい 元気だったあの頃を思い出して」というキャッチフレーズの入った今回のちらしでした。

「看取り」の定義は? で始まった講演でした。
平穏な死、自然な死、あるいはお迎えが来た、という言い方の中には、人間の尊厳が含まれる。
しかし、現在のいわゆる看取りの現状は、そこに倫理的な熟慮がなしに、行われていることに問題がある。
医療現場では、延命のための過剰医療が、一方の福祉の現場では中には、みなし末期ともいうような現実が・・・
時間がみじかっかったので、かなりはしょった言い方でしたが、本質を突いた鋭い指摘に、会場はみんな熱心に、身を乗り出して聴いていました。

認知症ケアの倫理、という難しそうな講演会に、200人以上の聴衆が参加したことにもびっくり。

詳しい内容はとてもここではかけないくらいですが、とりあえず、お二人の著書を紹介しておきます。
必読です。

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2012年1月17日 (火)

在宅ホスピスを語る会

1月14日(土)は、『在宅ホスピスを語る会』
在宅ホスピスを経験した家族の方に、思いを語っていただき、皆でそれを聴こう、という会です。
数年前から県内各地で始め、昨年は10カ所ほどで開催しています。
各地で、それぞれの事情に合わせて工夫して開催しているようです。
クリニックでは、昨年第1回目を開催。今年2回目です。

前半は、おなじみSHANAさんのオカリナ演奏。
伴奏は夫の健太郎さんのギターです。円熟して来たお二人の演奏は、後半のご家族の話を聞くための、こころの素地を聞く人たちの中に作ってくれたように思います。

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