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2016年9月13日 (火)

抗がん剤の切れ目が、縁の切れ目

80歳の女性。
ご主人と一緒に来院。いつものようにアミノレバンの点滴を行った。
1時間ほどして娘さんが来院。娘さんはS病院に行ってきたところ。
1年前から肝臓がんでS病院で抗がん剤治療を受けてきた。
辛い治療だが、主治医を信頼して一生懸命治療を続けてきた。
娘さんに対する今日の主治医の言葉・・・今後は、緩和ケアですね・・・治療を受けないのだったら、当病院に来る必要はない、(肝硬変のために)意識がなくなったり、吐血下血をした時も、他の病院を探しなさい・・・

この一年間、主治医を信じ、一生懸命辛い治療を受けてきた患者(の家族)に対する言葉だろうか、と娘さんは涙が出そうになった、と話してくれた。

私も話を聞きながら涙が出そうになった。
半年前から当院に通院するようになった。
S病院で肝臓がんの治療を受けながら、副作用のときや、糖尿病のコントロールのために当院の外来通院を併用した。また、肝性脳症の既往があり、アンモニア値が高値のため、提起的なアミノレバン(アンモニア降下剤)の点滴を行うため。
この間も毎月S病院に通い、辛い治療を受けていた。
肺転移が見つかった。
主治医からは抗がん剤の内服を勧められた。
相談を受けたので私は、年齢、経過、それに転移による症状が出ていない段階で抗がん剤の必要はないと思い、そう話した。が、彼女はやはり抗がん剤を選択した。
先週の土曜日、娘から電話がかかってきた。
「意識が低下していいる、肝性脳症だと思います。」
以前から肝性脳症による意識障害を見てきた彼女には確信があった。
(しかし、S病院では入院中に意識障害が出たとき、認知症との判断で、抗認知生薬を処方された。アミノレバンで症状は全くなくなったのだが。)
急いで駆けつけ、アミノレバンを400ml点滴して、ようやく意識が回復して、立ち上がって動き、話すことができた。
月曜日来院時に採血したら、アンモニア値は300から、140まで下がっていた。
(慢性の高アンモニア血症の人は、かなりの髙値でも、たえられる。)
今日は、すっきりとしてご主人と一緒に来院。二人はいつもさわやかな服装と帽子をかぶってくる。土曜日のことはよく覚えていないというが、今はすっきりしている。
今日も定期的なアミノレバンの点滴を受けていた。

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