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2016年4月10日 (日)

胃瘻2題

 
AMさん 97才
住宅型の施設で過ごし、当院からの訪問を受けていました。
認知症はありますが、朗らかで表情豊かな方。1週間前に発熱、往診で誤嚥性肺炎と診断し近くの病院に入院していました。入院6日目に息子夫婦が相談に見えました。嚥下の検査で誤嚥が見られ、今後経口摂取は不可能といわれた。胃瘻を作るかどうか検討したい、と。慌てて当院に相談に見えた次第です。
みなさんだったらどう考え、どう返答しますか?

私は迷っているお二人に、97才という年齢、今後の生活の質、胃瘻を作って生き延びたくないと言っていたという本人の希望を考慮したら胃瘻は止めて、さっさと帰ってきたらどうですか、と答えました。

2日後に施設に帰ってきて、早速夕食を食べました。
家族もびっくりですが、おかゆを10割、おかず(一口刻み)を5割などしっかり摂取。
もちろん施設のスタッフの注意深い食事介助のおかげもあります。
それ以上に、本人の生きる意欲、生命力への信頼が大切がと感じました。
ここでは写真でお見せできないのが残念ですが、この日夕食後に私が訪問したときのAMさんの明るい、豊かな表情。これはAMさんのこれまでの人生が作り上げた顔だなとつくづくおもいました。
 

2人目は、私自身はまだお会いしていません。

85才の男性。現在ある病院に入院中です。
12月までは元気で自転車に乗っていた方です。これまで病院にかかったことがない、というのが自慢(だそうです)。
2月末から風邪気味で近くの医院に受診、肺炎の診断で通院で抗生剤治療を受けましたが改善せず。市内の総合病院に紹介され点滴などで治療、改善しましたが、その間絶食となりました。絶食のまま、「リハビリのため」に近くの病院に転院、点滴から経鼻胃管となり、現在に到っています。
私と知り合いだった息子さんが、連絡して翌日相談に見えました。患者さんの奥さん(母親)と一緒です。
誤嚥性肺炎⇒絶食⇒経鼻胃管⇒胃瘻・・・というおきまりのコースを進んでいるようです。
入院して日ごとに身体が弱っているでしょう? とたずねると、「はい。」
かるかん饅頭や親子どんぶりを食べたい、と本人は言っているそうですが、それなら家に連れて帰ってきたはどうですか? と尋ねると、誤嚥しているので食事は食べられない、どうしたらいいでしょう。
「口から食べると誤嚥して、また肺炎を起こしますよ、家では無理ですよ」という医師の顔が思い浮かびます。在宅の底力を知らない、医師の・・・
AMさんはご主人の時代からのおつきあいがあり、息子さん夫婦は当院を信頼して相談に見えました。
今回は、奥さんは全くの初対面。当院との関係もまだまだ。
さてご主人の行く末はどうなるのか???

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コメント

その後のクリニックの中でのディスカッションから。
今回のAMさんに関するポイントは、
1 胃瘻の話しが出たときにすぐ、息子夫婦が当院に相談に見えたことです。
数年前にAMさんのご主人をすこやか野方館で看取りました。胃瘻を作っていて、それに伴ういろいろな苦痛がアリ、そのことが息子夫婦にとっては後悔の大きな要因だったようです。息子夫婦は胃瘻に対して否定的だったと言うことです。
2 それと、当院に相談できたこと。
普通は、入院先の主治医に言われたら、どうすることもできないでしょう。
AMさんの息子夫婦は、当院に相談できる、と思ったのです。ご主人の時からの付き合いを通して、当院を信頼してもらったと考えていいでしょう。
3 私はその時、”自分の意見”を述べました。
一般論として述べるだけでなく、自分の意見を述べることも大切ですね。
それにしても、退院した日からしっかり食事のできる患者さんに絶食を続ける病院の見識は非難されてもしようがないでしょう。

投稿: にのもんた | 2016年4月12日 (火) 12:02

何時も御世話になっています。一昨日も不定期ながら、突然に御邪魔致しました。お陰様で、頂戴した鎮痛剤の服用によって痛みは収まりました。就きましては、当ブログを利用して、若干の質問を御許し下さい。説明書によれば、
(1)「感染症を治療する薬:細菌の遺伝子情報を妨げ、増殖を抑える」
(2)「炎症や痛みを和らげる鎮痛薬:痛みの原因物質(プラジキニン)の働きを抑え、熱や痛みを和らげる」
と解説してありますが、飽くまでも一時的な治療に過ぎないのでしょうか?
何しろ「前立腺がん」治療中なので、痛みの部位が気になります。前立腺炎或いは前立腺肥大症の併発か?などと、素人なりに心配致しました。九MCの担当医師の所見では、その可能性はないとの事ですが、(勿論、接触感染による尿道炎の心配はないとしても)人体内には色んな細菌が潜在しているのでしょう。然し乍ら、如何なる細菌が、如何なる切っ掛けで炎症を齎すのでしょうか?
例えば「前立腺がん治療中」と言う精神的な観念?が嵩じる事によって、頻尿や尿道痛が発症する可能性がありましょうか?
御指示通りに、一週間の投薬を服用後、経過報告を致します。早々、(英山華)

投稿: (英山華) | 2016年7月24日 (日) 19:37

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