再び、経済格差は人間格差ではない
ションダニ学校は、2001年に建設されましたが、その時学校の在り方を巡って、ションダニ(現地)と日本側と、論争になりました。
ションダニは、モデルとなるような人材育成のための学校を作る、そのために私立の有料の学校を作ると、主張しました。
日本の手をつなぐ会のメンバーは、貧しい人のための教育の普及が第一。村の子供たちの教育のために学校を作るべきだ、と主張、話し合いは平行線のままでした。
結局、夢見る子ども基金の資金をションダニが思うように使う、その代わり手をつなぐ会はその学校に関しては一切関知せず、資金協力も行わない、といいうことになりました。
大変だったと思います。日本からときどきほかの団体からの支援があった(手とつなぐ会を通すのですが)とはいえ、継続的な支援はなく、手をつなぐ会は金銭的には支援しないというのですから。
ションダニは、がんばりました
この10年間で、地域ナンバーワンの学校となり、経営的にも安定させることができました。
私たちも、毎年見学に訪れ、その努力と手腕には敬服しました。
小学校(5年)に始まり、中学校(5年)、高校(2年)まで増設し、すでに卒業生が各地で活躍するまでになりました。
ションダニ学校周囲の土地を、資金をやりくりしながら少しずつ獲得し、ガンニ市の中心地に広い土地を確保するようになりました。
今年も、小学5年生、高校1年生との交流を行いました。
日本に幽霊はいますか? 日本の国の鳥は? 国の魚は?
日本はどうして、太陽の昇る国、といわれているのですか?といった質問が5年生からでました。
高校生になると、アメリカはどうして日本を攻撃したのか? 日本の戦後の復興の要因は?といった質問も出てきます。
エンジニアになりたい、医師になりたい、夢を持って学問に取り組んでいます。私たちの話を目を輝かせて聞いてくれます。
まだまだ建物は粗末で、国全体のインフラ整備は遅れていますが、1億6千万人の人材の中には、多くの有為の才能が埋もれているのでしょう。
この中から、バングラの将来を背負って立つ人材が輩出することを確信しました。
同時に、手をつなぐ会から突き放されながらも、いつか認めてもらえると努力してきたションダニの努力に、心から敬服しました。
日本とバングラデシュに、経済格差があり、そのために私たちは援助ができるのですが、決して人間格差があるために援助をするのではなく、むしろ、困難な状況で努力し、向上している彼らの姿勢からこそ学ぶものがあるのではないかと痛感した次第です。
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コメント
こんにちわ!
バングラデシュには「残暑見舞い」もない?でしょうが、訪問団御一行様の元気な様子を毎日楽しく(嬉しく)拝見しています。遙か遠くからの情報がリアルタイムで届くインターネット時代に感謝するばかりです。
ションダニ学校の皆さんと熱心に交歓されている模様が伝わって来ます。スナップ写真を見ると(行った事もないのに)懐かしい気がするのは何故だろう?とも思います。
何はともあれ、今日明日(スケジュール終了)までの、皆様の御無事を祈ります。
投稿: (英山華) | 2011年8月22日 (月) 05:10
英山華さん、コメントありがとうございます。
バングラでこのような励ましをいただくと、とてもありがたく感じます。
本日23日ダッカにもどり、25日夜ダッカを出発、26日夕方に福岡に戻る予定です。
投稿: にのもんた | 2011年8月24日 (水) 02:59