« いのちを見つめる講演会とワークショップ | トップページ | 5/28震災支援チャリティコンサート&報告会 »

2011年5月25日 (水)

することが何もなかったら、苦しかろう

毎月1回通ってくるAさん。
90歳のおばあちゃん。
12年のお付き合いになる。

「おかげさまで、調子はいいです。」というのが、口癖。
脳梗塞後の軽い右まひと、右の膝関節症のために、右足が痛い。
痛み止めと、ビタミン剤、胃薬を飲んでいる。

「おかげさまで」という彼女の言葉を聞くと、ほっとする。
いつも、シルバーカーを押しながらやってくる。
今日も雨の中をやってきた。

「おかげさまで、調子はいいです。」

今日みたいな雨の日は、畑に行くの? と私。

彼女は、毎日畑に行くのが楽しみだ。
家にいると、畳のへりにさえも引っかかって転ぶことがある。
畑では、転んでも土が守ってくれるから安心だ、という。


「雨の日は絶対に畑には行きません。」

「畑をうつ(耕す)のは、何ともないけど、ものを運ぶのが大変です。」

「右足がだんだん痛くなって、体がだんだん動かなくなって来ています。」

「しかたがないです。ただ、(畑を)眺めるのが主です。」

「でも、することがなかったら苦しかろうと思う。」

とつとつと話す彼女の語り口。
死をわきまえて、毎日畑に出かけているのだろう。

|

« いのちを見つめる講演会とワークショップ | トップページ | 5/28震災支援チャリティコンサート&報告会 »

コメント

とつとつと話される言葉にも年齢分の重みが感じられますね。

投稿: Toshiko Nakamura | 2011年6月 2日 (木) 08:55

Toshikoさん、コメントありがとうございます。
このような、年齢を重ねた方の、とつとつと語る言葉にはっとさせられることが多くなりました。
私も年をとったのでしょうか?

患者さんたちには、「せっかく今の日本に暮らしているのだから、治せる病気は精一杯治しましょう。でも同時に、いつか治らなくなるときがくるだろうから、そのときの覚悟もしておきましょう。」と話すように心がけています。

投稿: にのもんた | 2011年6月 4日 (土) 22:26

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/69958/51762239

この記事へのトラックバック一覧です: することが何もなかったら、苦しかろう:

« いのちを見つめる講演会とワークショップ | トップページ | 5/28震災支援チャリティコンサート&報告会 »