スピリチュアルケア
新大阪で、在宅ホスピス実践シンポが開かれた。
半年に1回開かれているもので、幅広いテーマに関して、少人数でじっくりと時間をかけて語り合う。
今回は、山口大学の谷田憲俊さんによる、「実践現場でのスピリチュアルケア」
スピリチュアルケアに関しては、いろいろな人がいろいろなことを述べているが、彼の話は一番わかりやすく、現場になじむと思っている。
『患者・家族の緩和ケアを支援するスピリチュアルケ』という谷田さんの著書をベースに話は進んだ。
誰でもできるスピリチュアルケア、コミュニケーションを基礎としたスピリチュアルケア、というのが本旨だったと思う。
スピリチュアルケアというと、何か特別なことで、特殊な訓練をつんだ人でないとできないかのような、あるいはホスピスケアにおける専売特許みたいな扱われ方をしてきたが、私は以前から何か変だなあ、と感じていた。
すべての人類は死すべき運命にある。
だとすれば、すべての人にスピリチュアルペインがあるはずだし、それは現在生きている人だけではなく、これまで生きて死んだ、全ての人に当てはまり、ましてホスピスで亡くなった人だけがスピリチュアルケアを受けられるなどという、とんでもないゆがんだ発想をまず、正すべきだろう。
その意味でも、谷田さんのスピリチュアルケアは、宗教家のみ、あるいはホスピス関係者のみの狭い、難解なスピリチュアルケアと違って、私たち俗人にとっても、とても身近なものに感じることができた。
後半は3~4人のグループワーク。
ロールプレイも行ったが、これもユニーク。
自分経験した、困難なケースを振り返りながら、自分がクライアントになってロールプレイを行う。
例えば、ALSの母親の息子で、気管切開を希望し、母親に伝えてほしいと迫られケアマネージャー。
彼が息子の役で、ロールプレイを行った。
息子役を演ずることを通して彼は、自分が息子の(しつこいまでの)希望を避けていたのではないか、息子から試されていたのではないか、と感じた。
一つ一つ考えさせられるワークだった。
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