家族のケアの力 その3
KさんとSさんが土曜日の朝、続けて亡くなった後、Yさんが亡くなったのは、日曜日の夜。
70台後半のYさん。
2年前から、肺がん手術、脳転移に対する放射線治療、開頭手術などを受けてきた。
地域の拠点病院から、近くの診療所に通院して治療を受けていたが、在宅ケアを希望して当院に紹介された。
在宅を開始してから、半年近くになっていた。
眺めのいい高層のアパートに、奥さんと息子さんと3人で住んでいた。
症状は、脳転移からくる右の手足の不全麻痺と軽い言語障害、肺がん再発からの咳や痰が主で、痛みはなかった。
いつも居間のソファに座って、私たちを迎えてくれた。
トイレは介助で歩行していけるが、外出はできない状態だった。
退院して3ヵ月後。
Yさんが、お盆にお墓参りにいくと言い出した。
それも、大分県のお墓だという。
今年の夏は異常な暑さだった。
お盆の渋滞も大変だろう。渋滞で動きが取れないとき、具合が悪くなったらどうするか?
心配したが、まずはYさんの希望をかなえたい。
暫く水分補給のための点滴を行って、お墓参りに備えた。
お盆の渋滞の時期を避け、少し早めにお墓参りを無事に済ませたYさん。
その後もしばらく落ち着いた日々を過ごした。
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