バーベキュー
ようやく帰ってきた自分の家。
表通りから入った丘の上の、静かな美しい住宅街の一角に、Tさんの自宅がある。
仲間たちは、Tさんの病気のことをよく知っている。だからこそ、Tさんのために、バーベキューパーティを開き、みんなが駆けつけてくれた。
Tさんの痛みは、突然激しい痛みが来る。
日中の大部分は痛みなく過ごせていても、夜中に突然激しい痛みに襲われ、痛み止めのオプソをのむこともできないほど、のたうち回る。
しかも注射嫌いのTさんは、持続皮下注や静注を拒否し、何とか貼付剤と内服の水溶液で痛みをしのいできた。しかしそれも限界。
一昨日から塩酸モルヒネの持続皮下注を開始したところだ。
それでもときどき強い痛みが彼を襲う。
奧さんはそんなとき、寝ずの番だ。
仲間たちは心得ている。
長時間の滞在は本人、奧さんたちの負担になるだろう、と。
Tさんと仲間たちのバーベキューパーティは、午後8時過ぎに終わり、きれいに片付けも終了し、みんなが引き上げたのは、午後9時だった。
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