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2010年3月31日 (水)

花見

福岡では、桜が満開になった。
今日の雨で、かなり散って行くことだろう。
昨年は、桜がことのほかしっかり、長く咲いたようだった。
寒い冬を過ごすと、桜もしっかり咲くように思う。

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毎日の在宅訪問などに追われて、今年もなかなかお花見に行けない。

一昨日、急な誘いが入った。
珍しく外来がほとんどこなくて、しかも第5週ということで、在宅患者も少ない。
久しぶりによく晴れた日で、こんな日に花見でもしたいね、とみんなで話していた。
そこに患者さんから、花見をするから参加しませんか?というお誘い。

昼間から、早速出かけた。

Kさんのお宅では、Kさんと奧さん、Kさんの兄弟とその家族、10人あまりが集まっていて賑わっていた。
実は、Kさんは白血病の末期状態だ。

発病したのは5年前。
そのときに、余命半年と言われたが、それを乗り越えてきた。
H病院の主治医による治療を受け、何度も危機を乗り越えてきた。
その主治医とは、絶対的な信頼で結ばれている。

念のため?という感じで当院からの訪問も行っていたが、主はあくまでもH病院の通院治療だった。最近では、貧血や血小板の減少が早く、ほとんど毎週のように赤血球と血小板の輸血を受けていた。
そんな中で今回、肺炎で入院。
今度はかなり厳しい状況となった。
Kさんは自身の判断で、今後は在宅ホスピスで過ごす、と決断した。
相変わらず毎日38~39℃の悪寒・高熱があり、肺炎も完治しない状態で、彼は自宅に戻ってきた。

血液疾患、特に白血病の緩和ケアは難しい。
まず、どこで見切りをつけるか、判断しがたい。
いろいろな多彩な症状が、急に起こることがある。
このため、緊急時に即対応しにくい在宅で、白血病の緩和ケアは難しいのが現実だ。

Kさんは、自分の病気、自分自身をしっかりと見つめてきたのだろう。
これ以上の治療は意味がない、家に帰って最期の時期を過ごす、と決意した。
主治医もそれを受け入れてくれた。
そして、2週間ほど前から我々が参加して在宅ホスピスケアが始まった。

案の定、帰宅後すぐに震え、高熱、全身の紅斑などの症状が出現した。
白血球500、ヘモグロビン6、血小板1万台という状態だ、当然いろいろな症状が出現するだろう。
入院中から食事はほとんど入らず。中心静脈のルートを確保し、高カロリー輸液を行っている。顔や手足にむくみも見られる。

悩んだ末に、緩和ケアの必須医薬品の一つであるステロイド剤を開始した。
また、他種類の抗生剤、抗真菌剤の種類を絞り込んだ。
赤血球、血小板の輸血は継続した。

数日で症状は劇的に改善した。全身に広がっていた真っ赤な紅斑がうそのように引いた。
むくみもとれて、すっきりした表情になった。
食事がおいしく食べられるようになった。

そして今週の花見。

「これが在宅ホスピスだ」とは、Kさんの言葉である。

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