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2008年8月30日 (土)

地域に根ざす~Bangla2008 ⑤

<コミュニティ・ベイスト・ホスピタル>

サテライトクリニックで、「帝王切開のできる病院を」という要望を聞きました。
またある日村の茶店で、村人からも同じ意見を聞きました。
「いざとなったら帝王切開ができ、手術ができる病院がほしい。」

いろいろと話を聞いていると、どうも医者側にも、手術のできる医者や病院がいい、という考えがあるようだが、村人たちにも同じような「信仰」があるようです。


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(写真は、母子保健センターのスタッフとの話し合い)


さて、昨年辞めたサイド医師の後任は、チョヨン医師。
28歳、卒業後2年のまだ若い医師です。彼と話す機会を持ちました。
「コミュニティでの医療活動は初めてです。」
彼は話し始めました。
「なかなか村人に信頼してもらえません。」「24時間拘束されるのは、精神的に消耗します。」
彼の話を聞くうちに、いろんな事がわかってきました。
ダッカ大学病院で研修した彼は、そこでは患者が来るのを待っているだけで、また勤務時間が終わると、仕事から解放される、といいます。
私は、次のような話をしました。
~村人に信用してもらうには、自分から村の中に入っていくしかないでしょう。
信頼を得るには、時間がかかります。でも、若いソーシャルワーカーたちが村の中に入っていって、徐々に信頼を得たように、あなたが村に出て行くことで、村人はあなたが人々のことを思っていることを知り、信頼するようになるでしょう。
~医者になる、ということはそういうことです。24時間患者のために働くことが医者になるということです。それを「義務(duty)」と考えると負担になります。自分の「仕事(work)」と思うようにしてはどうでしょうか。
~この病院はへき地にあり、高度な医療設備やスタッフをそろえることは不可能です。文字通り、コミュニティに密着した保健医療をその柱とすべきです。村人に働きかけ、「自分の健康は自分で作り、守る」という意識を育てていくべきです。そのようなフィールドワークと、基礎的な外来・入院医療がここの役割で、高度な医療は都市部の病院にお願いすべきでしょう。

話しながら、これこそが「コミュニティ・ベイスト・ホスピタル」の役割であることを、今更ながら思いました。
最初は、24時間は大変だ、村人が云々・・・と言っていたチョヨン医師も、次第に共感をもって聞いてくれるようになりました。

~研修に出かけたり、家族のために休みたいときには、休診にしてもいい。ともかく、村人のなかに入っていくことをまずやりましょう。もちろん、もう一人の医者は難しいにしても、メディカル・アシスタントか、経験豊富な正看護師を雇うよう、努力はしましょう。
と言って締めくくりました。

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