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2008年7月18日 (金)

最期の10日間、どう支えるか

千葉大会報告その2です。
私は、日本ホスピス・在宅ケア研究会の理事を務めています。
(実際には、ほとんど仕事をしていませんが・・(*^_^*)・・)
その中で、「コミュニティケア部会」の担当の一人となっています。
今年この部会で、「在宅ホスピス実践シンポ」を行うことになりました。
この実践シンポ。実は、日ホスのイベントとして、一昨年から年2回大阪で開かれているものです。
いろいろなテーマが出てきて、今回はぜひ、この全国大会の中でやろうとなったものです。
そのテーマが、『最期の10日間、どう支えるか』というもの。

さて、パネリストに以下の4人をお願いしました。
横田さん(奥さんを在宅で看取ったご主人。)
板倉さん(千葉県の訪問看護ステーションの看護師)
神原さん(岐阜で活躍しているケアマネージャ、ヘルパー。日ホスの理事)
矢津さん(北九州の在宅ホスピス医。在宅ホスピス支援施設「ひと息の村」村長)

横田さんの話を中心に、報告します。
「最期の10日間」といっても、その時は頭になかった。これまでの普通の生活を、どう続けるか、に夢中だった、と言います。
考えてみれば当然で、患者、家族にとって、「最期の10日間」とは、後から言えることで、その時は念頭にないはずです。
骨転移で下半身まひになった奥さんにとって、三種の神器は「ノート」「テレビのリモコン」「室内の無線電話」だったとのこと。そういえば、今在宅でみているある下半身まひの患者さんも、テレビのリモコンと電話をいつもそばにおいていたなあ、とか、自分だったら何をそばに置くだろうか、やっぱりノートパソコンかな、そうなったらiPhone買ってそばに置くかな、などと考えながら聞いていました。
1週間前に、朝から目がさめにくい、という訴えがあり、不快が増した時、「この不快な症状をなんとか取ってほしい」と思ったそうです。
医師から見ると、ずいぶん症状コントロールがなされていると思いましたが、本人、家族から見ると、できるだけいい状態でいたい、という気持が強いのだと、改めて症状コントロールのレベルを上げる必要を感じました。
亡くなる数日前に、自分のお別れ会で長しいほしいと、ビデオと音楽を、息子さんも一緒になって編集したそうです。しっかりと自分の死を見つめて生きてきたんだと思いました。おそらくその支えとなったのは、やはり「家族」。夫や息子さんたちだったのでしょう。
その後どんどん食が細くなった時、点滴をどうするか、ヘルパーを導入しよう、などいろいろと検討し、実行したとのこと。
毎日毎日、どう過ごすか、の苦労と工夫の連続だったようです。
医師の往診も重要だとおっしゃっていました。
頻回ではなかったが、往診時に医師と話すことで癒されていたとのことでした。

最期の10日間、というと私たちは、ケアを提供する側から、何が必要、どう支えればいいか、と考えがちですが、実際の家族の経験と意見から、学ぶものは大きいと感じました。

訪問看護師の板倉さんは、在宅へ移って、病棟では見えなかった患者、家族の姿を見て自分自身が変わっていったことを話してくれました。

ケアマネージャ&ヘルパーの神原さんは、介護保険ができたことでかえって、在宅での看取りにヘルパーがかかわることが少なくなった、と指摘。在宅看取りにおけるヘルパーの役割、具体的にできること、をあげてくれました。生活支援という、終末期でこそ重要になる分野で、ヘルパーの役割の大きさを痛感した次第です。

矢津さんは、在宅ホスピス支援施設としての「ひと息の村」の経験を踏まえながら、地域(コミュニティ)の人々の力を借りながら、広い意味の在宅ホスピスを支え、それが地域のホスピス文化を作り上げていくことへの希望を語ってくれました。またこのような施設では、経験の積みかさねが強みとなり、質が向上することを経験から伝えてくれました。

パネリストの4人、それぞれにとても重要な話題を提供してくれたと思いました。
私がコーディネータをしながら、十分な準備ができなかったのですが、おかげで会場はいっぱい。
質疑応答も活発で、今後の「在宅ホスピス実践シンポ」に引き継ぐテーマがたくさん出てました。

次回の「在宅ホスピス実践シンポ」は、9月14日(日)新大阪です。
コミュニティケア部会に参加なさった方も、どうぞご参加下さい。


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