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2007年2月18日 (日)

正直

月に1回、知的障害者の施設を訪問する。
20年余り前に開設された施設で、私は前の病院時代から、入所者の病気や健康管理で関わってきた。
開業してからも、引き続き、入所者が受診することが多い。
時には、こちらから出向いて、診療をするようになって、数年になる。
この施設を訪問するのは、楽しみだ。

施設は、クリニックから車で10分ほどの山の中にある。
車でのぼっていくと、作業所があり、入所者と職員が一緒にねぎやそのほかの収穫物を洗ったり、切ったりしている。
私たちが見えると、こちらを振り向いたり、あいさつをしてくれる。
中には、知らんふりをしている人もいる。

建物の中に入っていくと、大きな、明るいホールがあり、壁に大型の液晶テレビがかけてある。入所者の保護者たちからの寄贈によるものだ。
思い思いの格好でいすに座った入所者たちが、テレビを見ている。
私たちが入っていくと、立って来てあいさつを交わす人、手を振ってくれる人、相変わらず知らんふりの人・・・(誤解のないように言っておくが、わざと知らんふり、ではなく、コミュニケーションが取れなかったり、言葉を発することができないといった障害を持っている人が多い。)
ここに来ると、ほっとする。
山の中で空気がきれいなこともその要因の一つだが、ここの入所者たちの心が正直で、気を使わないことが大きな理由のような気がする。

保健室で簡単に何人かの診察をする。
今日も診察室で楽しい会話。
「先生、検査はまだね?」 Oさんは検査が大好き。毎月でも採血をしてほしい、と訴える。しかし、常に検査結果は正常で、日常生活にも問題はない。しかし今回は、前回の検査から半年あまりとなり、「そろそろ検査かな?」というと大喜び。
Oさんもしかし、年とともに少し腰が曲がってきたようだ。

「日焼けしているね。」と私が声をかけたSさん(40台、男性)の顔は、真冬にも関わらず日焼けしている。彼は魅力的な低い声で話す。
「昨日運動場で、焼肉を食べた。」

時には入所者同志のけんかがあったり、そのためにストレスがたまって、いろいろな障害を起こしたりすることもある。
しかし、彼らは正直だ。こちらが構えることなく、心を開いて接すると、子どものようにまっすぐに飛び込んでくる。
その安心が、私の心にも安心をもたらすようだ。


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