バングラデシュと中学生たち
7日、久しぶりに中学生を相手に、バングラデシュの話をしました。
市内の公立中学校の「総合的学習」の時間に、『国際協力を考える~バングラデシュの協力活動で学んだこと』というテーマでした。

相手が中学生、しかも3年生全員=約200人、会場は体育館、ということ・・・サテ困った。
中学生は一般的に全員が集中力を持続させることが難しい。せいぜい10分から15分といわれています。
しかも当日行ってみると、広い体育館に座って聞く、時間はその日最後の6時間目。
いくつかのクラスはその前が体育で、しっかり疲れています。
おまけに始まりが遅れて、実際に話す時間は45分程度。
それでも担当の先生が一生懸命で、事前に私のところに来て話を聞いて、前もっていくつかの班に分かれての調べ学習もしていたし、カンボジアの地雷についての授業などもやって、関心を高めてくれていました。
実は数年前に、県内のある中学校で全校生徒を相手に話をしたことがありました。
大きな古い体育館でスライドを使いながらはなしましたが、暗幕がなく(予算がないそうで)スライドはぼんやり、集中力は続かず、話の間、ざわざわ・・・という経験があったので、困ったな、と思った次第。
でも、その中で最後に、カラムディ村での子どもたちの写真を出したときだけ、会場がシーンとなったのです。それだけが救いでした。
その記憶を元に、何とかがんばってみようと、前日までにスライドなどを作りました。
構成は、
1)まず、バングラデシュはどんな国か?をたずねる。→貧困、途上国、遅れているなどの言葉が出てくると思われるので、
2)国会議事堂、ショッピングモール、観光地などの写真を出して、ステレオタイプのバングラデシュ観をひっくりかえす。
3)昨年の初参加者が作ったDVDを披露。これはよくできていて、バングラデシュツアーがよく理解できると思う。
4)最後に、母子保健センターの活動を中心に紹介。ここで赤ん坊や子どもの写真を見せる。
と考えました。
実際には時間の関係で、生徒とのやり取りはあまりできませんでした。
また、時間が足りなくて、気持ちがあせり、十分に伝わらない印象でした。
実際、途中で下を向いて寝ている生徒もいました。
でも、講演終了後の質問の時間で、結構質問が沢山出ました。
なぜ、バングラデシュと関わるようになったのか?
バングラデシュに難民はどれくらいいるのか?
・・・
翌日、担当の先生が生徒たちの感想文を届けてくれました。
参加した全生徒の分で、約200枚。びっくりしました。
バングラデシュへの偏見、思い込みが変わった。
立派な国会議事堂やショッピングモールにびっくりした。
などといったものから、
将来NGOなどの活動に関わりたいと考えており、参考になった。
など心強いものもありました。
在宅ホスピスの話などをする機会がずいぶん増えて、自分なりに勉強していますが、バングラデシュの話を、特に中学生相手に、というのはほんとにむずかしいなと感じました。
でも、少しでも私たちの言葉、活動、そして私自身を通して、バングラのことやバングラの人々のこと、活動のことなどを知ってもらうためには、何度でも出て行く必要があるな、今日の話も、一人でも2人でも心に残り、またいつか思い出してくれるときがあればありがたいな、と思いながら、次の訪問に向かいました。
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コメント
いつも先生のブログ拝見させていただいております。先生の活動内容が拝見でき、遅ればせながら「さあ私は?」と振り返らせていただいております。
私の娘の中学校では、先日中学生の娘さんを悪性腫瘍で亡くされたお母様が命について話してくれました。
私の娘の第一印象は、「自分の子供が死んだというのに、何であんなに明るくしていられるの?と思った。」と言うものでした。「悲しくないはず無いと思うけどね。他にも子供さんが居るし、亡くなった娘さんにたいしても最期の時まで全力投球できたと言う思いもあっただろうし。それに娘さんと同じ年頃の子供たちと話せることが嬉しかったんじゃない?」と返しました。
命の大切さや尊さ、大人の子供に対する思いは、学校の授業中には教えることよりも、にのさか先生やこのお母さんの様に、特別授業を組んでもらったほうが、子供たちの中に入ってきやすいのかも知れませんね。
中学3年生といえば思春期の真っ只中、我子でも腫れ物に触るようにしか接することしかできない親もいますよね。そんな子供達に先生の言葉が響いてくれたこと、親の立場からも嬉しいですし、先生の活動が広がっていくことを、陰ながら応援させていただきます。
投稿: 祐子 | 2006年11月13日 (月) 10:15
裕子さん、いつもありがとうございます。
中学生、むずかしいですねえ。
自分が中学のころを振り返ってみると、どんなだったんだろう、と思います。(よく覚えていない??)
中学生の自殺が続いています。
大人の社会の反映だといいますが、では、どうしたらいいのか、なかなか答えが出ません。
「いのちの大切さ」を声高に叫ぶだけでは解決しないような、そんな気がしています。
一人一人がいのちを大切にする、ということをもっと具体的に実践していかねば、と感じるこのごろです。
投稿: にのもんた | 2006年11月14日 (火) 10:31