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2006年9月14日 (木)

心を亡くさないよう

日本は忙しい。
「忙しい」という言葉は、「心を亡くす」と書く、とだれかのブログにあったが、それでもやはり、バングラデシュから戻ると、日本はなんと時間に追われ、忙しいのだろう、と毎年痛感する。

という言い訳で始まった今日は、バングラから戻ってすでに3週間あまりが過ぎた。

バングラデシュの現地訪問報告は、バングラデシュと手をつなぐ会ブログに載せていきますので、そちらをご覧ください。

朝早く、協力訪問看護ステーションから電話。
Dさんが、昨夜嘔吐し熱発している。朝一番で往診してほしい、と。
日ごろ無理な注文を聞いてもらっているので、往診依頼があるときは必ず応えるようにしている。
早速、朝の診療開始前に往診した。
Dさんのお宅は、97歳のDさんを息子さん夫婦が介護している。
注射器で食事や水分を注意深く注入して、栄養を採っている。
時には、果物などを食べることもある。
自宅に戻ってこの一年間、幸いなことに大きなトラブルがなく過ごしてきた。
嘔吐、高熱は初めてのことだ。

さて、どうするか?

再度の入院は、家に戻れなくなる可能性がある。
かといってこのまま家で過ごすことは、命取りになるかもしれない。
在宅では、ときどきこのようなジレンマに悩まされる。
97歳だからといって、ほうっておいていいわけではない。
治せる病気は治すように努めるべきだろう。
本人は、残念ながら寝たきり、意思表示は不可能だ。

まずは、抗生剤の点滴と水分の補給で1~2日様子を見よう。
その後に最終的な方針を決めることにした。

さあ、明日から(いや、今夜から)、うちのスタッフと訪問看護ステーション、それに家族で力を合わせてこの危機を乗り切ることができるか? それとも・・・


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