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2006年7月 3日 (月)

強いられた命の姿を描く

「死を見つめて生きる」連載20回目になりました。

Sophie0125回までの予定ですが、やはり毎週原稿を書く、というのはつらいものがありますね。でも、何とかやり遂げたいと思います。新聞社の担当のMさんの励ましを受けながら。そして、皆様の激励を受けながら。。。

さて、今週は、映画をとおして、生と死を考えてみました。

「強いられた命の姿を描く」というテーマです。

この半年あまりの間に見た映画が、全てこのテーマにかかわっていました。

初めは、「亀も空を飛ぶ」Kame1

クルド人のバフマン・ゴバディ監督の映画で、NGOによる試写会で見ました。
重い映画でした。
イラク戦争開始直前のクルド地方、村の少年と難民の少女の出会い。少女は盲目の赤ん坊を連れている。両腕のない兄は、不思議な予知能力を持っている。
少女に近づこうと少年は画策するが・・・・

二つ目は、「ナイロビの蜂」The_constant_gardener

ケニアのナイロビで、イギリス外交官とその妻が出会ったものは?

映画のキャッチコピーは、「地の果てで、やっと君に会える」

実は妻のテッサは、アフリカで巨大製薬企業が行っている、エイズの新薬に関する実験の不正の事実をつかみ、それを暴こうとするNGO活動にかかわっていたが、そのために調査活動の途中で事故に見せかけて殺される。
妻の行動の意味を知り、その死の背後に巨大な権力の陰謀を見出したジャスティンは、権力の陰謀を暴き、そして妻が死んだ湖のほとりへと旅立つ。

そして今回、主に取り上げたのが、「白バラの祈り」でした。

Sophie02

ナチスドイツの時代に、反ナチ運動に身を投じ、逮捕されてから5日間で処刑された21歳の女性の物語です。彼女らのグループは「白バラ」と名乗っていました。

ごく普通の女性が自らの良心に従って行動し、その結果、兄や友人たちとともに、権力からのものすごい弾圧を受けた話です。逮捕されたゾフィーは、ナチスの尋問官と、1対1で立ち向かいます。
くじけそうになる自分自身を奮い立たせながら、敢然と立ち向かう姿。
民族裁判が開かれ、狂気のフライスラー判事が、ゾフィーたちに罵声を浴びせかけます。

「おまえたちは・・・帝国から恩恵をうけているにもかかわらず、敗北主義的にドイツの敗北を予言する『白バラ』のビラをまいて・・・」

司法が権力に取り込まれたときの恐ろしさを感じます。

それでも彼女は、「私がいま立っている場所に、もうすぐあなたが立つことになるでしょう。」ときっぱりと告げます。

両親との別れ、恋人への思い、最期の祈り、そして彼女は処刑室へ。

「私たちの行動によって何千人もの人々を目覚めさせられるなら、私の死も少しは意味があるかしら?」

権力や暴力の前には、個人の力は小さく、その死は取るに足らないものでしかないかもしれない。でも、一人の死は、その肉体の死を超えて、ほかの人々に伝えるものを持っているのではないか、そんなことを映画を通して考えたものです。

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