« 2006年4月 | トップページ | 2006年6月 »

2006年5月29日 (月)

わすれられないおくりもの

「死を見つめて生きる」今日で、15回目になります。
今日のテーマは、「わすれられないおくりもの」
Anaguma02
これは絵本のタイトルです。
この絵本は、「子ども教育HAKATA」でも使ったことがあるものです。
死への準備教育でも、絵本は大きな役割を果たしているようで、いろいろな絵本が取り上げられています。
「100万回生きたネコ」
「だいじょうぶだよ、ゾウさん」
「いのちのまつり」
「あらしのよるに」
いろいろな絵本がある。
文章と違って、やわらかく、しかも印象深く、読者に訴えることができるし、また大人、子どもを問わずに読むことができる。

「わすれられないおくりもの」は森のアナグマの物語。
年老いて、死を迎えたアナグマ。
知恵が深く、皆から頼りにされていたアナグマが亡くなった。
いつもそばにいて教えてくれたアナグマがいなくなった。
皆は悲しみ、途方にくれた。
ふり返ってみると、アナグマが森の動物たちそれぞれに贈ってくれたものは、目には見えないけど大切なものだった。
モグラには切り紙細工を、カエルにはスケートを、キツネにはネクタイの結び方を、ウサギのおくさんには料理を・・・<みんなだれにも、なにかしら、アナグマの思い出がありました。>

<さいごの雪がきえたころ、アナグマが残してくれたもののゆたかさで、みんなの悲しみも、きえていました。アナグマの話が出るたびに、だれかがいつも、楽しい思い出を、話すことができるように、なったのです。>

このはなしを、植松伸之君という、教員で、私の仲間でもあった男の物語と重ね合わせて書いたのです。
植松君は、長崎大学教育学部出身。長崎で教員になった後、福岡へ。
福岡の一貴山小学校で教員をしている時に、彼が私を訪ねてきました。
子どもたちにバングラデシュの話をして欲しい、というのです。
その小学校には3回くらい話に行ったと思います。
いつも丁寧な準備をしてくれて、子どもたちも熱心に聞いてくれました。

またその後、福岡市内の小学校に移ってからも、いのちの教育に取り組み、ときどき呼ばれて話をすることがありました。
その彼が、腎臓癌を発症したのは、1997年でした。
血尿が出て、病院を受診したら、腎臓癌だといわれた、と言ってその足で私のクリニックを訪れました。エコーをして残念ながら診断は正しいと伝えました。

それから、腎臓の手術、転移した肺の手術、さらに体に広がって、化学療法なども受けましたが、残念ながら、一昨年43歳でいのちを終えました。

彼の遺志で葬儀は行わず、後日しのぶ会が行われました。
そこで後輩の教師たちが朗読したのが、「わすれられないおくりもの」。
立派な教員で指導者だとは思っていましたが、こんなに後輩達に慕われ、大きな仕事をしてきたことを初めて知りました。
植松君が、後輩の教員たち一人一人に、「わすれられないおくりもの」を残してくれたことを知ったのです。

植松君のこと、絵本による死への準備教育(この場合は、死後のグリーフケアも含めて)を重ねて書いてみたものです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年5月10日 (水)

フィラデルフィア

P5040053 日本ではゴールデンウィークの5月2日から7日、私は、妻とともにアメリカは東海岸、フィラデルフィアにいました。

写真は、ブログで知り合ったカタヤマさんとのツーショット。

彼女はウィスコンシン州のホスピスで現在研修中。病棟看護にあきたらず、病院のみならず、日本を飛び出してアメリカで在宅ホスピスの実際を学んでいる。

今回、機会があってアメリカへ行くことになり、”フィラデルフィアに来ませんか?”と誘ったら、さっそく飛んできた。

アメリカの在宅ホスピスのこと、彼女のバックグラウンドなどいろいろな話を聞くことができ、楽しいひとときでした。

カタヤマさんの在宅ホスピスレポートは、こちらでどうぞ。
優れた観察力と、表現力は必見です。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2006年4月 | トップページ | 2006年6月 »