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2006年2月19日 (日)

在宅支援診療所

中医協(中央医療協議会)で、4月からの診療報酬の体系が固まった。
全体としては、3%あまりに厳しいマイナスだが、在宅医療に関してはかなり報酬が上がることになるようだ。中でも、「在宅療養支援診療所」の新設は画期的だといえる。

在宅に重点を置き、24時間の対応が可能で、緊急時には入院医療機関との連携が取れていることなどの要件を満たしており、届出をすれば、「在宅療養支援診療所」として認められる。
支援診療所となると、緊急の往診加算が倍になったり、在宅での看取りが(経済的に)大幅に評価されたりしることになる。

当院は、これまで診療報酬で十分に評価されなくても、患者にとって必要と思われるサービスは提供してきた。全国の在宅仲間たちもそのような姿勢で取り組んできたことだろう。
いずれ実績が評価され、きちんとした診療報酬がついてくる(べきだ)と考えてきた。
今回の、在宅ケアに関する診療報酬のアップは、そのような努力の積み重ねの結果であるといえる。

それでも私は、今回のこの在宅療養支援診療所に、やりきれない思いをいだいている。

一つは、これまでの流れからいえることだが。
報酬さえつければ、医療界は思いどおりに動く、といわんばかりの厚労省はじめ役所のやり方。インフォームド・コンセントの実行と言われた、療養計画書しかり。院内感染予防に点数がつくと、病院中の廊下に手洗い器があふれた。
今回も・・・という思いが拭い去れない。

また、在宅医療の普及と質の向上と言う観点からも、疑念を抱いている。
これからはやはり在宅医療に取り組まないといけないと考えている医師は多いと思う。
その人たちにとって、ちょっと敷居が高すぎるのではないだろうか。
かえって二の足を踏むことにならないだろうか?

現在はまだまだ在宅医療、特に在宅ホスピスに取り組む医師は少ない。
普及と質の向上を、医療側も行政側も、また患者側もいっしょになって取り組むことが緊急の課題だ。そのための第1歩という考え方もあるだろうが、他に方法はないのだろうか?

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ところが、大きな問題に気がついた。
当院では現在70~80名の在宅患者を診ている。
終末期の患者が常に5~10名程度。グループホームでの看取りも行っている。

そのようなクリニックが、在宅療養支援診療所の届出をせずに在宅ケアを行うと、今までよりも大幅な減収になり、またグループホームでの看取りは不可能となってしまう。

在宅療養支援診療所には手厚い報酬と仕組みだが、そこをめざそうとする診療所には今まで以上に厳しいシステムとなってしまう。

さて、にのさかクリニックはどう取り組むべきか?
今、大いに悩んでいるところです。
皆さんのお知恵をお貸しください

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コメント

形だけの療養診療計画書や「説明した事実を残すため」の説明など、危惧するお気持ち察します。
経済的なことは本当に苦手でお恥ずかしいのですが、「在宅療養支援診療所の届出をせずに在宅ケアを行うと」とあるけれど、「届出しない」場合というのは、認可されないからですか?それとも何かメリットがあるからですか?

投稿: カタヤマ | 2006年3月 5日 (日) 13:21

カタヤマさん、お久しぶりです。
PCの復帰、おめでとうございます。

さて、ご指摘の件ですが。
日本の診療報酬制度は、実に複雑怪奇で、わかりにくいものです。私も、よくわかりません。
現場を知らないお役人の思いつきで決めているのか・・・と思わざるを得ません。
それはさておき。

今回、「在宅療養支援診療所」は届け出制となっています。いくつかの要件があり、それを満たすと認可?されます。
「支援診療所」が在宅ケア、在宅ホスピス、看取りなどを行うと、大幅な点数アップ(報酬アップ)になります。
しかし、当院のように今までやってきたことを、その届出をしないまま行うと、報酬が下がる、ということです。同じコトをやっても、・・です。

当院の問題、ということではなく、これから在宅に取り組もうとしている医師たちにとって、敷居の高い制度になるのではないか、その結果、在宅ホスピスの広がりが制限されるのではないか、と危惧しています。

投稿: にのもんた | 2006年3月 5日 (日) 14:36

「在宅療養診療所」確かに 要件さえ整えれば 色々な加算ができるようです。
 今回 介護保険の報酬改定、この医療の診療報酬の改定と 「在宅」へ向かってることは確かなのですが  それを受けとめる側の意識がまだ低いままでは にのもんたさんの言われるように弊害が出てきてしまうのでしょうね。
 実際に 関西の大きな病院でも 「加算のための組織体制作り」がなされてるということがあり いったい誰のための改定なのか・・と思ってしまうことがあります。
 でも これによっていい方向で在宅医療に目をむける医療者が出てきてくれたらいいのですが。

投稿: sadakichi | 2006年3月 7日 (火) 15:39

本当にうまく今度の改定が働くといいですよね。同じ「厳しい基準」でも、患者さんのためになるものだといいのですが。どうなんでしょうか?もっと実際に働いている医療者やケアを受けている人の声が届くようにするには、どうしたらよいのだろう、と思わずにはいられません。

投稿: カタヤマ | 2006年3月 8日 (水) 05:23

3月に出ました「自立支援法」に関しての資料を見ましても ここでも「施設から地域」への方向。
 療養型を経営されてる大きな医療法人はどのようにこれから転換をどのようにされるのでしょうね。
 障害の区分認定でもその区分により医療費の負担が大きくなったり、また同じ区分の等級でも市町村により補助金が違ったりで その点で「地域差」はまだまだありますよね。

投稿: sadakichi | 2006年3月 8日 (水) 11:07

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